日記
悩んでいた、わたし。
別に用があるわけではないが、ついでに立ち寄った駿河屋にニセツチノコがいた。
ニセツチノコは、ちいかわの作者ナガノが
ちいかわを生み出す前に描いていた漫画の中に出てくるキャラクターで
ツチノコを捕獲して一攫千金を狙うキャラクターの前に現れる。
別に古参ぶりたいわけではないけれど、ちいかわで有名になるよりも
もっともっと前から、私はナガノの作品を知っていた。
駿河屋はキャラクター別に商品棚をわけていて
初めてニセツチノコを見かけた時はちいかわの棚に置かれていた。
ちいかわではないが、他に置く場所がないのだから仕方ない。
名札を見たら2500円くらいだった。
駿河屋のくせにほぼ定価くらいで、もう流通していないのに珍しい値段の付け方だなあとは思ったものの
人気がないからなのかもしれない。
おまけに知名度もない。
その日は帰った。
それから3回くらいは駿河屋に寄る機会があったと思う。
毎回ニセツチノコはちいかわの棚にいた。
誰かに買われたらいいな、と思って
たまに他のちいかわのぬいぐるみを押しのけて、一番前に出してみたりもした。
今回も駿河屋の近くに寄る用事があって、まだいたらもう買って帰ろうと思った。
でもニセツチノコはいなかった。
何回も買うタイミングがあったのに、買わなかったから。
リユースショップというものはそういうものだから仕方がない。
一応、ちいかわのぬいぐるみ達を全部よけてみたけどやっぱりいなかった。
でももしあったとして、買って、どうするつもりだったんだろう。
そんな事考えるなんて、買わなくてもよかったって思いたいだけの負け惜しみな気がした。
シンプルに悲しいって認めてみようと思った。
その後は駿河屋の中をぶらぶらしてみる。
ジャンルが括らないぬいぐるみの中を漁ってみる。
もしかしたらいるかも?と思う気持ちもあるけど、ただなんとなく。
嘘、いたらいいなって思った。
ちいかわの棚がぎゅうぎゅうになっていたから、こっちに移動されたんじゃないかなって。
やっぱり!いた!
でも困ったことに2匹になっていた。
欲しかったのは右のニセツチノコ。
左のニセツチノコはいつからいたんだろう。
向いてる方向も微妙に違うのもイイ。
左のニセツチノコは触るともちもちしていた。
ずっと気にしていたミギツチノコを買うべきとは思うが
ヒダリツチノコはもちもちしているし、お腹にシャリシャリした重しが入っていてイイ。
ぬいぐるみというのは、日常生きていく上で全く必要のないものなのだけど
前にフードコートで、ドナルドのぬいぐるみにこっそりとアイスを食べさせているおじさんがいたのを思い出す。
客観的に見て非常に珍妙なのを自覚しているから、リュックを立てて死角にし
ドナルドに差し出した、アイスのスプーンを
ドナルドを小刻みに動かしながら死角の中で一緒に食べていた。
まあ斜め後ろの私から丸見えなので、死角もくそもないが。
イギリスの成人の3割はぬいぐるみと寝ているというし
生きていくために必需品ではないのだけど、そこにあったらよりイカしてるアイテムなのだ。
結局どっちも買って帰ってきた。
今この文章を書きながら、ヒダリツチノコのシャリシャリをいじりながら抱いているし
たぶんアップロードが終わったら、ヒダリツチノコを布団に入れて
いつも通りに適当な都市伝説か怪談のYouTubeを聴きながら寝ると思う。
あれだけ求めたミギツチノコは、物置部屋の棚に置いて満足をし
駿河屋と変わらない扱いになるのだから、結局のところ人間の欲ってのはそんなもんなのである。